リフォーム前
原山こどもクリニックの原山先生から改修工事の依頼を受けました。原山こどもクリニックは、僕が建築家としてスタートした時の処女作で、そのうえ建築文化賞を頂いた思い出深い建物です。ですので改修の依頼はとてもうれしいものでした。リフォームの内容は全面改修。無機質な表現を目指して設計した作品だった建物を、今回の改修によって素材の個性・質感を生かした表情のある建物にする事。更に今後数十年の使用に耐えるものという事でした。
リフォーム後
外壁は今まで塗膜の壁だったものを、素材そのもので風雨に耐えるものにしました。今回の外壁は一階はマジックコートとスチール、コンクリート、二階三階はフレキシブルボードの羽目板張りです。表情があっていい感じです。人の触れる部分は杉板を使用しています。

内部は珪藻土の塗り壁としています。触った感じも人にやさしいですし、健康的でエコ材料だからです。九州から特殊な下塗り材とともに取り寄せています。いままではダイナミックな梁が露出した吹き抜け空間でしたが、“やはり低く平らな天井が落ち着く”というクライアントの空間経験からの言葉を受け、露出していた梁などを隠して平らな天井空間としています。腰壁はメンテナンスやお掃除がしやすいからという事で採用していますが、施設や病院関係に携わるクライアントは必ずと言ってよいほど腰壁を望まれます。

（有）君島弘章建築設計事務所
君島　弘章
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